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先日(3月4日)、神田秀樹教授による「会社法制の見直しを巡る議論と展望」という講演を聴いてきました。

非常に面白い示唆がいろいろとありましたが、今回は、ベンチャー企業に関連する内容について、触れてみたいと思います。

兼ねてから、当ブログでも、取り上げておりました監査役会設置会社における社外取締役の選任の義務付けという点です。

現在、主に上場企業を対象として、監査役会設置会社に社外取締役の選任を義務付けようという議論があります。直近では、今年1月の法制審議会会社法制部会第9回会議会社法制部会資料9(PDF)を参考にして下さい。

ここでは、「1 監査役会設置会社における社外取締役の選任の義務付け」と「2 監査・監督委員会設置会社制度(仮称)の創設」が挙げられています。

私は、上場(IPO)実務という観点から、上場会社に、社外取締役の選任を義務付けるとなると、これまで社外監査役を選ぶことさえ大変だったのに、さらに社外取締役を探してこなければならず、上場のハードルがこれまで以上に上がるのではないかという危惧をもっていました。(なお、現在は、会社法上、監査役会設置会社については社外監査役2名以上(335条3項)が求められており、これに加えて、取引所ルールによって独立役員1名が必要です。)また、そもそも根本的な点として、会社法で規定しなければならないことなのかという疑問や、新興市場に上場している会社にも本当に必要だろうかという疑問もありました。

この点、神田教授は、おそらくこの案(社外取締役選任義務付け案)を通すのは簡単ではないであろうという趣旨のことを述べておられました。理由の一つには経済界の反対が強いということです。なお、教授によると、過去に調査したところ、業界1位の会社は、いずれも社外取締役がおらず、2位以下の会社にはだいたい社外取締役がいるということでした。勿論、全ての業界ではないでしょうし、例外もあるとは思いますが、なかなか興味深い話でした。その趣旨としては、社外取締役がいないから1位ということではなく、2位以下だから社外取締役を置いているということなんだろうと思います。

さらに、この案が有力ではない推論の一つとしては、「会社法制部会資料9」の中で、「1 監査役会設置会社における社外取締役の選任の義務付け」と「2 監査・監督委員会設置会社制度(仮称)の創設」の分量が全然違うということもあるようです。ご覧いただけるとわかりますが、明らかに後者の分量が多いです。これは、法務省のやる気度合いに比例している可能性があるということです。

上場(IPO)実務という観点からでは、後者の案は、期間設計についてのオプションが増えるだけですので、さほど影響はないように思われます。(今後の実務動向や証券取引所のルールにもよりますので、留保付きです。)今後の動向に、慎重に注目した方がよいと思います。

参考
会社法
(大会社における監査役会等の設置義務)
第328条第1項  大会社(公開会社でないもの及び委員会設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。


(監査役の資格等)
第335条第3項 監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない。

2011年3月9日  6:30 AM |カテゴリー: 企業法務 |コメントはまだありません

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