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ベンチャー企業のファイナンスについては、これまでにも何度か取り上げました。

今回は、銀行融資を受ける場合の注意点について、検討します。銀行融資は、デット・ファイナンス(Debt Finance)と呼ばれます。貸借対照表上は、負債となるからです。

このデット・ファイナンスの企業にとっての最大の特徴は、「支払期日に返さなければならない」という点であり、銀行等の貸し手にとっての特徴は「倒産されては困る」という点です。この2つの特徴を理解することが重要です。

「支払期日に返さなければならない」という特徴を考えると、いつ売上が発生するかわからないような研究・開発先行型のビジネスには、不適当ということがわかります。ある程度、収益の見込みのあるビジネスでないと、支払期日に一定の金額を返済する目処が立たないからです。

さらに、銀行等の貸し手にとって「倒産されては困る」という特徴を考えると、リスクは割とあるが、かなり利益がでるかもしれないというビジネスに関心がなく、確実にキャッシュ・インがありそうでリスクの低いビジネスを好むことがわかります。会社がハイリスク・ハイリターンな設備投資をしようと、ローリスクローリターンな設備投資をしようと、貸し手の収入、すなわち利息は(原則として)変化しません。最近では、例外的に変化する内容のデット・ファイナンスもあるようですが、それでも利息制限法の範囲を超えることはありません。ということは、貸し手からすると、無駄にリスクの高い事業はしてほしくないと思うのは当然です。

自社のビジネスが(少なくとも外部の人間にとっては)ハイリスク・ハイリターンなモデルであるという理解があれば、そのようなベンチャー企業は、銀行から借入を受けるべきではありません。実際に、急成長を志向するベンチャー企業が銀行融資を受ける場合は、以下のような点に気をつけるべきでしょう。

1 資金的に余裕があり、その必要があまり無い時点で借り入れを実行する。

2 個人保証は極力避ける。キャッシュフロー、運転資金、増資目標の達成など、特定の業績のマイルストーンに応じて借入金額の上限と返済期限を設定する。

3 貸付約定や制限条項を慎重に検討する。専門家やアドバイザーに頼ることなく、社長が自らその結果がもたらす意味を理解し、判断する。

4 一定の条件が満たされたときに、即時実行される不利な条項はよく検討する。特に、期限の利益喪失条項は、慎重に検討する。

昨今では、中小企業やベンチャー企業への融資について、政策的に「新規開業資金(新企業育成貸付)」といった内容の融資制度が整備されています。しかし、「借りることができるから借りる」という態度は、非常に危険です。特に急成長を志向するベンチャー企業は、ビジネスモデルに由来するリスクが高いことがほとんどですから、そのような会社が資金調達を銀行融資に頼ると、将来的に、会社の破産の原因となったり、社長個人の破産の原因となったりすることを念頭に置いておくべきです。ベンチャー企業に限って言えば、銀行融資は、基本的には補完的な位置づけであると考えておいた方が無難でしょう。

2011年2月1日  6:30 AM |カテゴリー: ベンチャー・ファイナンス |コメントはまだありません

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