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30日の日本経済新聞に、「エフオーアイ粉飾事件、東証などを損賠提訴 株主ら「上場チェック不十分」 」という記事がありました。

東京証券取引所マザーズ上場が廃止となった半導体製造装置メーカー「エフオーアイ」(相模原市、破産手続き中)の粉飾決算事件を巡り、株価下落で損失を被ったとして、同社の株主らが29日、証券会社や東証などを相手取って、総額約2億8千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

訴状によると、原告は1人当たり最大で3千万円余りの損失を受けたとして「監査法人、証券会社、取引所の3重チェックは空虚。見抜けない粉飾ではなかっ た」と主張。弁護団は「東証が上場審査について訴訟で責任を問われるのは初めてではないか。審査の信頼を守るためにも、民事で実態を解明したい」としてい る。(引用終わり)


とあります。

この訴訟は、様々な論点が含まれることが予想されますが、証券会社の引受審査が、どの程度行われていれば、免責されるのかという点についての判断がなされる可能性が高く、今後の引受審査の実務に影響を与える可能性があります。

いわゆる継続開示書類と呼ばれる有価証券報告書については、そもそも「主幹事証券会社」という概念もなく、虚偽記載について証券会社が責任を負うということはありません。

しかし、発行市場では、目論見書等や有価証券届出書の虚偽記載について、幹事証券会社(目論見書等の使用者、元引受契約を締結した金融商品取引業者)が責任を負う可能性があります。

この場合、ざっくりと申し上げると、原告(株主)側で、 「重要な事項の虚偽記載等」 + 「損害」 を立証すれば、被告(証券会社)側では、 「虚偽記載等の不知」 + 「相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかったこと」を立証しなければ(原則として)免責されません(他にも、取得者が虚偽記載等について知っていた場合に免責される場合があります。)。なお、有価証券届出書の虚偽記載等については、財務計算書類は「虚偽記載等の不知」のみが免責要件となっています。

「相当な注意」とは、どの程度のデュー・ディリジェンスが為されたかという点につきますので、その点の事実の積み上げが裁判の中で明らかになってくるのかもしれません。和解での解決の可能性がどの程度あるかは全く想像できませんが、判決での解決となる可能性も十分にあります。判決が出た場合は、この「相当な注意」とは・・・という点について判示される可能性も十分あり得ると考えます。IPO 関係者やベンチャー・キャピタリストにとって、要注目の裁判となります。

被告当事者は、証券会社の他、役員、監査法人や証券取引所等が挙がっているようですが、免責要件がそれぞれ異なりますし、「不知」の立証も異なるでしょうから、一部の被告のみ責任が認められる可能性もあります。そのあたりも要注目です。

なお、この「相当な注意」についての話は、10月26日(火)の講演でも触れさせていただく予定です。

【追記:10/1】

※ 10月26日(火)の講演は、事前のエントリーが必須となります。エントリーをされていない方は、事前に、当職から池銀キャピタル様に連絡する必要がありますので、必ず御連絡いただきますようお願い申し上げます。当日、エントリー無しにお越しになった場合、入室できない可能性もありますので、御留意下さい。


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